つやだしのレモン

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Pillars of Eternity レビュー

 ゲーム『Pillars of Eternity』(Obsidian Entertainment、2015年)のレビュー。

・プレイデータ

 価格:1990円(Definitive Edition、50%OFF)
 プレイ時間:50時間
 難易度:Hard

Good!

・戦闘が楽しい
・グラフィックが綺麗
・キャラのビルドが幅広い

Bad!

・ストーリーがつまらない
・サブクエストは量は多いが質がイマイチ
・ロード時間が長い

 

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・戦闘が楽しい

 バルダーズゲートの流れを汲む、古き良きClassic RPG(=CRPG)。

 戦闘はリアルタイムで進む。このタイプのゲームは不慣れなので、最初はどのステータスが重要なのかも、どのスキルが強いのかもまるで分からない。手探り状態で進めるが、AI操作で勝手に倒してくれるのでなんとかなる。

 中盤ぐらいから戦闘のコツがなんとなく分かってきて、そこから楽しくなってくる。「命中率」を高めるスキルと、「状態異常」の付与が強い。この2つがとにかく大事。これを理解すると各キャラに指示すべき行動もつかめてくる。

 ただ、「状態異常の付与でほぼすべてのボスを倒せる」ゲームなので、単調といえば単調。ボスでもStunやProneに耐性がないことが多い。

 戦闘エフェクトもスキルごとに用意されているというきめ細かさ。主人公はウィザードにしたのだが、100ぐらいある魔法のエフェクトを1つひとつ見ているだけで楽しい。味方も巻き込んでファイアボールを撃つときの「魔法使いしてる感」がすごい。

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・ストーリーがつまらない

 ストーリーは全然ダメ。

 ダメな物語でよくあるのは、「世界観=ストーリー」になってしまっているパターン。このゲームがまさにそれ。キャラクターに世界観を語らせておけばストーリーになると思っているらしく、クライマックスで主要キャラがベラベラと長話で設定を語り始める。

 世界観を丁寧に作るのはもちろん大事だけど、ストーリーを動かすのはあくまでキャラクター。だから、キャラクターの個性や造形を作りこまないとストーリーは面白くならない。このゲームはそこがすっぽり抜け落ちているので、メインのストーリーが空っぽになっている。

 ラスボスのThaos(テイオス)なんて、設定だけならすごく面白そうなキャラのはずなのに、単にその振る舞いが描写されるだけで内面の掘り下げがないのでまるで魅力がない。悪役というただの記号になっている。

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・総評

 70/100

 戦闘システムの完成度は高い。スキルのエフェクトが凝りまくっている。戦闘の楽しさだけでエンディングまで引っ張ってくれるだけの力がある。

 一方でストーリーは退屈だった。RPGはストーリーにワクワクしながらプレイするのが醍醐味だけど、このゲームにそのワクワクはない。