つやだしのレモン

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『新語・流行語大全』 「なぜだ!」

新語・流行語大全1945‐2005―ことばの戦後史

新語・流行語大全1945‐2005―ことばの戦後史

 

 

 印象に残った言葉のみ以下にリストアップ。

 

・かつぎ屋

 戦後の闇物資の行商人のこと。


額縁ショー

 ストリップショーの元祖。西洋名画風の額縁の中に、上半身ヌードの女性を立たせるショー。動くと風俗壊乱になるので、モデルは額縁の中でじっとしている。


笠置シヅ子

 「ブギ」の女王。1956年、「自分が納得できる声がようでえしまへんので堪忍してや」と歌手を廃業。実際には、ブギが下火になっていたことも影響している。その後は俳優として活動した。


・老いらくの恋

 歌人川田順と歌弟子・鈴鹿俊子との不倫関係。川田は妻を亡くしていたが、鈴鹿には夫と3人の子がいた。


・銀座カンカン娘

 1949年に流行った映画。「カンカン」の意味は誰も分からない。


・兵隊の位に直すと

 当時はやった言葉。山下清徳川夢声に、「ぼくの絵は兵隊の位に直すと、どこへのぼっている?」と聞き、徳川は「佐官ぐらいだろう」と答えたのに由来。


・ミッチー・ブーム

 1959年の結婚を機に、ミッチー・ブームが到来。ミッチーみたさにテレビを買う人が多かった。


・ハンカチ・タクシー

 自家用車を使ったモグリのタクシー。普通のタクシーより2割ほど安く、乗車するとハンカチなどの景品をくれる。「商品を買ってくれた客に無料サービスをしている」というていで営業を行う。


・チ・37号

 チ=千円札、37号は偽札事件の通し番号。本物と見分けがつかないほどの精巧な偽札で、警察の捜査状況に応じて偽札にも改良が加えられていた。犯人は捕まらなかった。


・蒸発

 ある日突然、失踪してしまう人が、年間5000〜7000人はいるという。


・構造汚職

 政治・行政・産業・軍事などが結びつき、その関係自体が引き起こす汚職


ネズミ講

 天下一家の会という団体が、130万人の会員を集めて社会問題化。内村健一という首謀者が脱税容疑で逮捕された。


・なぜだ!

 三越百貨店の社長・岡田茂が叫んだ言葉。定例取締役会において、5件の議題がスムーズに片付けられた後、腹心の部下である杉田専務が「岡田社長の解任を提案します」と発する。茫然とする岡田を尻目に解任案は可決された。この議題については事前に会議参加者でリハーサルが行われていたという。


・セクシャル・ハラスメント

 この言葉が日本に浸透したのは、西船橋駅ホーム転落死事件がきっかけ。被害者がストリッパーという事実が、人びとの興味を集めた。