つやだしのレモン

読んだもの、見たものの感想を書く場所。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

獄門島

横溝正史 『獄門島』(角川文庫) ○印象・感想 1948年発表。金田一耕助シリーズ屈指の傑作にして、横溝正史の代表作。ミステリの重要ポイントは「舞台設定」と「トリック」だと思いますが、本作はそのどちらも最高レベルの作品です。さらに、日本語独特のフ…

Flow My Tears, the Policeman Said

フィリップ・K・ディック 『流れよわが涙、と警官は言った』 (ハヤカワSF文庫) ○印象と感想 フィリップ・K・ディックの代表作の一つ。1974年発表。速筆で鳴らすディックが、長い年月をかけて推敲を重ねて完成させたのが本書。出版の翌年にジョン・W・キャ…

Moon

『月に囚われた男』 (ダンカン・ジョーンズ監督、2009年) ○印象と感想 最近SF映画ばかり見ています。奥浩哉『GANTZなSF映画論』で紹介されていた映画を片っ端からTSUTAYAでレンタルしてます。旧作なので全部100円。いい時代ですね。 制作費は500万ドル。低…

Zeno Clash 印象と感想

『 Zeno Clash 』(ACE TEAM、2009年) ○チリ発・異色FPS チリの独立系ゲーム会社が2009年に製作した異色FPS『Zeno Clash』。本来なら15ドルですが、STEAMのハロウィンセールで値引きされてたので衝動買い。その値段、まさかの0.99ドル! 日本円にして82円の…

氷壁 印象と感想

井上靖『氷壁』(新潮文庫、1956年) ○概要 井上靖の小説はかなり読んでいる。一番好きなのは『しろばんば』。これは氏の作品中でも髄一の名作で、中学受験のときに国語の問題で何度も目にした経験があります。それ以外には『夏草冬濤』『北の海』『あすなろ…