つやだしのレモン

読んだもの、見たものの感想を書く場所。

2020-01-01から1年間の記事一覧

今月読んだ本 2020年10月

・結城充考『躯体上の翼』 ・桐野夏生『夜の谷を行く』 ・帚木蓬生『閉鎖病棟』 ・大森望(編)『ベストSF2020』 ・ロス・マクドナルド『さむけ』 ・リチャード・ニーリィ『殺人症候群』 ・東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』 ・オリヴァー・サックス『…

『妻を帽子とまちがえた男』 「普通」と「普通ではない」の雑な切り分け方

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ文庫NF) 作者:オリヴァー サックス 発売日: 2015/09/30 メディア: Kindle版 間違いなく興味深い本。同じ著者の『火星の人類学者』も名著。 ただ、注意が必要だと思うのは、著者の考え方。オリヴァー・サックスは「普通」の…

今月読んだ本 2020年9月

・福田ますみ『でっちあげ』『モンスターマザー』 ・「新潮45」編集部『殺人者はそこにいる』 ・「新潮45」編集部『殺ったのはおまえだ』 ・「新潮45」編集部『その時 殺しの手が動く』 ・野坂昭如『東京十二契』 ・スコット・トゥロー『推定無罪』 ・志賀直…

『Witcher3』レビュー 「オープンワールドRPG」と「ストーリー重視」の両立

今更だがWitcher3をレビュー。 【プレイデータ】 ・買った場所: Steam ・価格: 1980円(Game of the Year Edition、70%OFF) ・プレイ時間: 94時間 【好きなところ】 ・没入度の高いストーリー ・妥協のないサブクエスト ・美しい風景 【嫌いなところ】 …

福田ますみ『でっちあげ』『モンスターマザー』

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―(新潮文庫) 作者:福田 ますみ 発売日: 2016/11/04 メディア: Kindle版 モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―(新潮文庫) 作者:福田ますみ 発売日: 2019/07/19 メディア: Kindle版 と…

今月読んだ本 2020年8月

・望月優大『ふたつの日本』 ・野坂昭如『火垂るの墓』 ・岡田索雲『鬼死ね』1-4 ・岡田索雲『メイコの遊び場』1 ・うめざわしゅん『一匹と九十九匹と』2 ・草水敏・恵三朗『フラジャイル』1-3 ・望月優大『ふたつの日本』 ふたつの日本 「移民国家」の建前…

Skyrim Special Edition レビュー

いまさらSkyrimで100時間くらい遊んだのでレビュー。Modは入れずバニラで一通りプレイ。 Good! ・風景が美しい ・ダンジョン探索が楽しい Bad! ・お使いばかりのクエスト ・大雑把なゲームバランス どこを切り取っても絵になる 風景が美しいのがとにかく素晴…

今月読んだ本 2020年7月

・加藤智大『解』 ・紀田順一郎『東京の下層社会』 ・森博嗣『すべてがFになる』 ・中島らも『今夜、すべてのバーで』 ・荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の漫画術』 ・山本章一『堕天作戦』1-5 ・加藤智大『解』 ・紀田順一郎『東京の下層社会』 ・森博嗣『すべてがF…

ゲーミングノートPCを購入

Asusの「TUF Gaming A15 FA506IU」を購入。用途はゲーム。SteamでSkyrimやWitcher3を遊びたい。 5月末に発売されてから話題をさらっているゲーミングノートPC。AMDのRyzen 7を搭載しているノートPCはまだ少ないため大人気。 Good ・スペックが高い ・コスト…

紀田順一郎『東京の下層社会』 急速な近代化の犠牲者

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫) 作者:紀田順一郎 発売日: 2013/09/13 メディア: Kindle版 主に明治時代の日本の「下層社会」の実態を明かす本。国が進める急速な近代化の犠牲となり、使い捨ての労働者として泡のように散っていった人々の話である。 当時は…

加藤智大『解』 激烈な処罰感情

解 (Psycho Critique) 作者:加藤 智大 発売日: 2012/07/01 メディア: 単行本 秋葉原通り魔事件の犯人が本を出していたと知ったので、読んでみる。 ・事件を起こした理由 2008年に起きた秋葉原通り魔事件の犯人が、「なぜ自分が事件を起こしたか」を説明する…

今月読んだ本 2020年6月

・ジョージ・R・R・マーティン『乱鴉の饗宴』上・下 ・フィリップ・K・ディック『いたずらの問題』 ・森健『小倉昌男 祈りと経営』 ・野田彩子『ダブル』1 ・都留泰作『竜女戦記』1 ・『チェンソーマン』7 ・ジョージ・R・R・マーティン『乱鴉の饗宴』上・下…

今月読んだもの 2020年5月

ジョージ・R・R・マーティン『七王国の玉座』上・下 大谷アキラ『正直不動産』8巻まで 桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』 服部まゆみ『この闇と光』 谷崎潤一郎『谷崎潤一郎犯罪小説集』 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』 赤川次郎『ひまつぶしの…

フィリップ・K・ディックを冷静に語る

SF作家のフィリップ・K・ディックはコアなファンが多いので、なにかと神格化されがちである。ディックを語るときによく聞く「ペテン師のなかの幻視者」というレムの言葉も、ディックを特別視しすぎているように見える。 ということで、以下ではディックとい…

今月読んだもの 2020年4月

新津きよみ『ママの友達』 藤田宜永『老猿』 佐々木昇平『革命戦士 犬童貞男』1-2 堺屋太一『油断!』 新津きよみ『ママの友達』 ママの友達 (光文社文庫) 作者:新津 きよみ 発売日: 2013/09/27 メディア: Kindle版 30年ぶりに回りだした交換日記をきっかけ…

今月読んだもの 2020年3月

夢野久作『ドグラ・マグラ』 榎本俊二『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』 野坂昭如『エロ事師たち』 深水黎一郎『ミステリー・アリーナ』 ジョン・ル・カレ『スパイたちの遺産』 雫井脩介『望み』 薬丸岳『天使のナイフ』 岡田真弓『探偵の現場』 伊岡瞬…

今月読んだもの 2020年2月

・セバスチアン・ジャプリゾ『シンデレラの罠』 シンデレラの罠 (創元推理文庫 142-1) 作者:セバスチアン・ジャプリゾ 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1964/11/27 メディア: 文庫 趣向を凝らしたサスペンス。主人公が探偵であり、犯人であり、被害者で…

『パラサイト』 半地下の家族と観る、半地下の家族

TOHOシネマズ上野で『パラサイト』を見た。映画は素晴らしかったが、それ以上に、隣に座った家族が面白かった。 その家族は4人連れで、私の右隣の側に並んで座っていた。母親+子ども3人の構成で、子どもはみな小学生くらい。大きな容器に入ったポップコーン…