つやだしのレモン

読んだもの、見たものの感想を書く場所。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Ficciones

ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『伝奇集』 (岩波文庫) ○印象と感想 1960年代に世界的なラテンアメリカ文学ブームがありました。その人気を牽引したのはガルシア=マルケスやバルガス=リョサでしょうが、ラテンアメリカ文学の基礎を築いたのはこのボルヘスでし…

The Wisdom of Father Brown

G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の知恵』 (創元推理文庫) ○印象と感想 〈ブラウン神父〉シリーズの第2短編集。第1作の『童心』同様、逆説とユーモアに満ちた短編ミステリ集です。収められているのはどれも数十ページの短編ですが、その一つ一つの味付…

The Innocence of Father Brown

G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の童心』 (創元推理文庫) ○印象と感想 〈ブラウン神父〉シリーズの第1短編集。初めて読んだときの衝撃は今でも忘れません。ミステリとしての緻密な設計、簡潔な描写、駆使される巧みなレトリック。「洗練されている」と…

The Nine Tailors

ドロシー・L・セイヤーズ 『ナイン・テイラーズ』 (創元推理文庫) ○印象と感想 イギリスの濃厚な香りが堪能できる古典ミステリ。セイヤーズの長編ミステリは「ピーター・ウィムジイ卿」という貴族探偵が主人公ですが、「貴族」が探偵役というのに違和感を…

813

モーリス・ルブラン 『813』『続813』 (新潮文庫) ○印象と感想 「アルセーヌ・ルパン」シリーズの中でも屈指の名作と名高い『813』。大富豪ルドルフ・ケッセルバックが掴んだ「ヨーロッパを揺るがす秘密」を巡り、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンと謎の殺人鬼“…