つやだしのレモン

読んだもの、見たものの感想を書く場所。

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

少将滋幹の母

谷崎潤一郎 『少将滋幹の母』 (新潮文庫) ○印象・感想 短い小説でありながらも、谷崎潤一郎の変態性がぎっしりと詰まっている名作です。平安時代中期が舞台で、当時の言葉や和歌がやたらと出てきて目が回りますが、しっかり注釈がついているので安心です。…

Wish You Were Here 和訳

最近、Pink Floydの『Wish You Were Here』をよく聴いています。Floydは『The Wall』が好きでそればかり聴いていましたが、『Wish You Were Here』も繰り返し聴いてみると良さが分かりますね。とくに表題曲は良い。 以下、“Wish You Were Here”の英詩と和訳…

半七捕物帳

岡本綺堂 『半七捕物帳』 (光文社時代小説文庫) ○印象・感想 第二巻の解説で、森村誠一氏が「中にはかなり残酷な殺人事件などがあるが半七老人の語り口にかかると、紗を通して透かし見るようなうるんだ光沢と色調を帯びる」と述べていますが、たしかにその…