Nickelodeon TMNT
米国のニコロデオンという子ども向けチャンネルで放送されているTMNTが面白い。視聴者のターゲットはキッズなので、ストーリーは完全に子ども向け。でも、アクションシーンの出来はアニメ史上で最高クラス。全編フルCGでキャラクターがグリグリと動くのは見ているだけで楽しい。
○新タートルズの特徴
1シーズンの11話まで観て分かった特徴。
・ストーリーは基本コミカル、時々シリアス
全体的に明るく、ギャグ成分は多め。雰囲気は2003年版に近い。
演出は日本のアニメっぽいなという印象。ギャグシーンでキャラの顔が大きくなったり、ボケにはツッコミ役がいたり。
・主人公4人のキャラ設定
主人公4人の設定は、2003年版のTMNTをだいたい受け継いでいる。レオはリーダー、ラフは熱血漢、ミケはお調子者、ドナは機械オタ。
今回は個体差がはっきりしている。
レオはガッシリとした体格、ラフは色黒&横幅広い、ミケは顔にそばかすで眼がクリクリ、ドナはヒョロ長い。
使う武器は過去作と同様、レオが長剣の二刀流、ラフがサイ、ミケがヌンチャク、ドナが棒。ただし、ミケはヌンチャクのほかにクサリ鎌を多用。ヌンチャクよりも絵的に派手なので、ミケの性格的にも合っている。あと、相変わらずドナの棒はよく折れるが、今作から仕込み刀が入って少し強力に。
格闘能力は、レオとラフが強く、ミケとドナがやや劣る。一対一での強さで言えば、レオ=ラフ>ミケ>ドナという印象。ドナテロは機械関係での活躍が多い分、格闘ではそれほど目立っていない。
・スプリンターがデカイ
スプリンターは過去作ではチビのネズミだったが、今作ではタートルズより一回り大きい。格闘能力でもタートルズを遥に上回っており、彼らの先生としての威厳がぐっと増している。
・エープリルが子ども
エープリルは重要キャラとして登場するが、14歳くらいの子ども。技術者である父がクランゲ一味にさらわれ、その関係で亀たちと出会う。
・ドナテロが活躍
ドナテロにスポットが当たる場面が多い。ドナテロがエープリルに一目惚れするという新展開。エープリルの心を掴もうと必死な様子が笑える。
・クランゲ一味
クランゲは謎の宇宙人として登場。過去作同様、脳みそのような容姿。同じ個体が何匹もいて、互いに「クランゲ」という名前で呼び合っている。クランゲ同士に個体差はない様子。
・シュレッダー一味
今作のシュレッダーは人間(たぶん)。スプリンターの仇敵であるオロク・サキがその正体。1987年版のようなおふざけは一切しない。普通の悪役という感じ。
○全編に染み渡るセンスの良さ
今作で驚いたのはCGのレベルの高さ。驚くほど精緻で、ヌルヌルと動く。毎週放送のアニメでこのクオリティとは驚き入る。見ているだけでニヤニヤしてしまうほどに素晴らしい出来。
カメラワークが良く、ところどころでアーティスティックな表現もあって、センスの良さを感じる。特に、亀たちがビルの上を飛び渡っていくシーンは爽快。
本国での評判も上々らしく、シーズン3までの制作はすでに決定済み。日本では来年の春から放送らしいが、どこの放送局かは不明。おもちゃの発売も控えているということなので、新タートルズのブームが来るかもしれない。