つやだしのレモン

読んだもの、見たものの感想を書く場所。

Children of Men

○印象と感想

・映像が美しい。製作費7600万ドルは伊達ではない。

長回しという撮影技法を使っている。『シャイニング』で有名なステディカムを用いて、場面切り替えをせずに登場人物に寄り添った映像が多い。観ているときには気付かなかったが、たしかに手ブレ映像が多いなと思った。

・美術への深いこだわり。ジャスパーの隠れ家や、檻に入った移民たのうめき声が響く街の様子、シドと待ち合わせた廃校、移民たちの住むボロ屋。この見事な美術群をじっくり見たい。



○印象に残った場面

・冒頭の長回し。コーヒーショップで主人公がコーヒーを購入後、店を出てしばらく歩くとコーヒー店で爆発。

・ファロンがコーヒーに酒を入れる。

・ファロンが街中で誘拐されているのに、周りの歩行者は見向きもしない。

・地下組織がファロンを解放する車中、ファロンに長々と脅し言葉を浴びせる金髪の男に、「口が臭い」。その男はファロンをバスから下した後、「バス賃だ」といって小銭を投げてよこす。
 
・地下組織から逃げ出す際、車のエンジンがかからず、ファロンが車を押して出発。なんとも間抜けな主人公。
 
・移民地区へのバスの車中、ファロンにタバコをせがむ老人。