つやだしのレモン

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新井英樹『SCATTER 6』

●メモ

  • 1年に1冊ずつ出る『SCATTER』の第6巻。
  • 第5巻を読んだのがだいぶ前なので、ストーリーをまるで覚えていない。たしか主人公の友だちに、童貞を死守することをモットーとする狂ったヤツがいたなーという記憶がある。それ以外はうすぼんやりとしている状態なので、この第6巻を読んでも「誰だっけ」というキャラが多い。


●かなり物語が動いているような気がする

 ストーリーをまともに把握できていないものの、ストーリーが大きく動き出しているという実感はあった。

 正直に言えば、この『SCATTER』、前巻まではあまりにも内容がぶっ飛びすぎていたせいか、消化不良な箇所が多く、夢中になって読めるような漫画ではなかった。「?」と思ってしまう場面ばかりで、ピカソの絵を連続で見せられているような感じだった。

 新井英樹さんの漫画は、どれも前フリが長いのだが、『SCATTER』ではそれがより顕著に思う。

 ただ、第6巻では、ストーリーの根っこの部分に迫るような場面がいくつかあって、バラバラだった物語の歯車がようやく噛み合いだしたような感じである。ここまでをもう一度読み直してみようという気になるような展開だった。

 「あなたがここにいてほしい」という副題の意味も、ほんのちょっとではあるが明かされている。

 あと、途中、『RIN』を彷彿とさせるような場面があった。立石譲司のあのトラウマ。新井英樹さんは「ヴィィィィィン」を気に入っているのだろうか。

 「何か分かりそうで、微妙に分からない」今の状態が一番おいしい時。期待感が膨らんでいる今が、漫画を読んでいて最も楽しい時である。『GANTZ』で言えば仏像編。でも次巻が出るのは来年。