つやだしのレモン

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そこのみにて光輝く

そこのみにて光輝く 通常版DVD

そこのみにて光輝く 通常版DVD

 タイトルカッコイイし、DVDのパッケージもカッコイイし、期待して観たら、普通の恋愛映画だった。ただの感想だが。

 過去にトラウマをもつイケメンの男と、家族を養うために体を売る女が恋に落ちる。古い設定だなーと思ったら、原作が昔のマイナーな小説だった。人物造形が単純なのも、そのせいなのだろう。すごく味付けはされているが、根幹のところは、『世界の中心で愛を叫ぶ』や『恋空』と変わっていない。

 とても直線的に物語は進んでいく。主人公がもつトラウマはきちんと説明され、女が体を売って生計をたてる理由もきちんと説明される。それ以外の細かな「謎」も、作中できちんと登場人物が説明してくれる。親切設計ですね。原因があって結果がある。映像的に無駄がない。

 ゆえに退屈。子どもでも理解できるように、とてもきちんと作られているので、展開が読める。遊びがなく、まっすぐに話は進んでいく。一つ一つの場面が、ラストに繋がるための布石になっているようになっている。丁寧な作りではあるが、逆に言えばわざとらしかった。いかにも映画だった。もっと脱線してくれてもいいのに。