つやだしのレモン

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顔を洗わなくなったらニキビが消えた

 「顔を洗わなくなったら、顔ニキビが消えた」という話。

 自分と同じ症状の人に役立つと信じて書く。

 

・症状

 年齢:30歳

 性別:男

 顔のニキビが治らない。20歳前後で顔にニキビができはじめ、それが10年くらい続く。

 ニキビが出る位置は、おでこ、頬、口の周り、アゴ周辺など、その時によってまちまち。季節でいうと冬がひどい。夏はまだマシ。

 親や知人からは「ニキビあるね」とよく言われた。それがずっとコンプレックスだった。朝起きて鏡を見るたびにニキビまみれの顔をみてため息をつく日々。

 大人のニキビって本当にみっともないんだよね。それだけで「清潔感がない」「子どもっぽい」という印象を与える。人と会うのが億劫だったし、他人の顔を見るたびに「どうしてこの人の顔にはニキビができていないんだろう」と思っていた。

 

・直した方法

 直した方法はシンプルで、顔を洗わないこと。

 「水が自分の顔にあたる」ことを極力避ける。朝は洗顔しない。風呂に入るときは、進んで顔を洗うことはしない。髪を洗うときのシャワーが少し顔にかかる、という程度に留める。

 それ以外は顔を洗わない。風呂に置いていた洗顔料は全部捨てた。

 

・この方法が自分に合っていた理由

 自分のニキビの原因は(おそらく)乾燥肌だった。肌が乾燥しやすく、かつ敏感肌ぎみだったので、少し引っかいただけでニキビになってしまっていた。

 肌を乾燥させない最もよい方法は、「顔を洗わない」こと、ということに、10年かけてようやく気づいた。

 

・結果

 顔を洗わなくなってから8ヶ月経ったが、ニキビは激減した。以前の1/10くらいになった。今もアゴ周りに少し残っているが、ニキビに悩んでいたときに比べれば雲泥の差。

 

・この方法にたどりつくまでの試行錯誤

 以下は自分のニキビ奮闘記なので、別に読まなくてもいい。でも、同じような悩みを持っている人の参考になるかもしれないし、試行錯誤の10年を振り返る意味でも書いておく。

 まず、市販の薬はさんざん試した。「ニキビ対策」を謳う洗顔料、乳液、クリーム、サプリメントなどなど。けっこう投資したはず。

 30歳近い男がドラッグストアでニキビ対策の薬を買うのは、最初は恥ずかしかったけど、数年すればそんな羞恥心はどっかにいく。

 毎月ドラックストアに通って、数ヶ月ごとに使う薬を変えて、効果がでるかどうか試した。ドラッグストア以外にも、Amazonで効果がありそうな薬はいくつか買った。

 そういう薬を使ってみて、「少し良くなった」なんて思うこともあったけど、今から考えると誤差だよ誤差。バーカ。結局、全然変わらなかった。朝起きて洗面台の鏡を覗いて、顔にしっかり残っているニキビと目が合って、憂鬱な気持ちになる日々が続く。

 食事習慣も変えた。「油っこい食事がよくない」という話を聞いたので、肉を一切食べなくなり、キャベツとレタスをむしゃむしゃ食べていた。そのせいで会社の健康診断で「中性脂肪が低すぎる」ということで再検査になったりした。別に意識が高いわけでもないのにベジタリアン。僧侶もびっくりの肉断ち生活。でも、そこまでやっても、ニキビは消えなかった。ニキビはそこにいた。

 もちろん皮膚科にも行った。行った病院は3つ。でも、どこも効果的な対策は教えてくれず、処方してもらった薬も特に効果はなかった。

 一度、「ベピオ」という薬を処方されたけど、それを塗ったら顔が真っ赤に腫れたことがあった。会社を休んでまた皮膚科に行ったら、「そうですか、じゃあ使用回数を控えてください」。

 それだけかい! なんだこのヤブ医者は、とそのときは思ったけど、今あらためて考えると、皮膚科の先生からしたらニキビなんて大した病気ではないので、治療法なんて知らんわということだったんだろう。ニキビなんかよりも重い皮膚の病気を持っている人はたくさんいるし、そういう患者さんを診ているお医者さんからしたら、自分みたいにニキビで悩む奴なんてくだらないという感じだったんだろうな。


 ということで、いろいろ試したけど、でも結局は治らなかった。そこで、「自分のニキビは体質なんだ」と、半ば諦めかけた。で、もうなんにもしなくていいや、という気持ちになった。洗顔料やクリームを使わなくなり、顔もあんまり洗わくなった。

 それで数日して、肌の調子が良くなっていることに気づく。ニキビは減ってないけど、肌がつっぱる感じがない。

 そこで、「ニキビは、顔を洗いすぎていたことが原因だったのか」ということに、ようやく、ようやく気づく。そういえば、ネットでニキビ対策を調べてたときに、「顔をあまり洗いすぎないことも大事だよ」みたいなこと書いてあったな。あれ、定型文ぽかったから無視してたけど、本当だったんだな、ということに、そのとき、やっと気づく。自分が探していた答えは、こんなに近いところにあったんだね。

 自分のような乾燥肌には、「顔を洗わない」ことが一番の治療法だった。でも自分は、「顔を清潔にしていないのがニキビの原因」だと思いこんでいた。顔が汚いから、ニキビができてしまうのだと。それに、「薬を使ってしっかりいたわらないと治らない」という妙な思い込みもあった。なんだったんだあの思い込み。資本主義の犬。

 でも、ニキビの本当の原因は、単に顔が乾燥していたというだけの話。そして、自分が「治療」と思いこんでやっていた顔を洗うという行為が、顔から皮脂を奪って傷つきやすい肌に変えていたという皮肉。

 

・最後に

 自分と同じようにニキビで苦しんでいて乾燥肌の人は、「洗わない」という選択肢を考えてほしい。これが絶対の正解ではないと思うけど、でも少なくとも、自分にはそれが正解だった。10年間いろいろやった末にたどりついた結論がそれだった。